話すことすなわち情報の出力と、聞くことすなわち情報の入力をバランスよく行う会話を確実に発生させる支援技術、共想法を独自に開発しました。テーマに沿って話題と写真を用意し、持ち時間を決めてグループ会話する共想法への参加を通じ、健常高齢者の会話特性に変化が見られ、情報の入出力のバランスがよくなることを示した。ウェブデータベースと連携した共想法支援システムを開発し、全国各地の実施研究拠点で継続的に運用されることを通じ、高齢者の大規模会話データを収集することができました。
また、会話双方向性計測法、会話相互作用量計測法等、大規模会話データから特徴を抽出する技術を開発し、情報の入出力のバランスや、相互作用を通じて生み出される語彙量などが、定量的に評価できるようになりました。得られた特徴に応じて、共想法を改良して、一人ずつに最も効果的な認知活動支援を提供する技術として展開し、健康長寿高齢者から、介護施設を利用する軽度認知機能障害者、中程度の認知症者まで、異なる認知特性を有する高齢者に適用することに成功しました。
[1] 大武美保子.介護に役立つ共想法−認知症の予防と回復のための新しいコミュニケーション,中央法規出版,2012.
[2] Mihoko Otake, Myagmarbayar Nergui, Takashi Otani and Jun Ota, Duplication Analysis of Conversation and its Application to Cognitive Training of Older Adults in Care Facilities, Journal of Medical Imaging and Health Informatics, Vol. 3, No. 4, pp. 615 - 621, 2013.
[3] Mihoko Otake, Motoichiro Kato, Toshihisa Takagi and Hajime Asama. The Coimagination Method and its Evaluation via the Conversation Interactivity Measuring Method, Early Detection and Rehabilitation Technologies for Dementia: Neuroscience and Biomedical Applications, Jinglong Wu (Ed.), IGI Global, pp. 356 - 364, 2011.
[4] 大武美保子.アプローチの方法2:コミュニケーション障害に対する方法「共想法」,認知症への多角的アプローチ,地域リハビリテーション,Vol.5, No.12, pp. 1049 - 1052, 2010.